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ボディランゲージが人を作る/エイミー・カディ




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ボディランゲージが人を作る

講演者:Amy Cuddy(エイミー・カディ)

私たちのするボディランゲージは、自分に対する他の人の見方に影響しますが、自分自身の見方にも影響します。社会心理学者のエイミー・カディは、自信のないときでも自信に溢れる「力のポーズ」を取ることで、自信の感覚を高め、成功できる見込みも変わるのだと言います。(注 この講演で示された発見の中には社会科学者の間でその堅固さや再現性について議論があるものもあります。下記にあるエイミー・カディによる回答をご覧ください。)

エイミー・カディ : ボディランゲージが人を作る | TED Talk

概要

動物は力や支配を表現する時、大きく見せ体を伸ばし 広い空間を占めようとする。逆に無力だと感じる時は、縮こまり体を丸め小さくなる。であれば、姿勢を変えてやれば心にも影響があるのではないかということで実験が行われた。

 

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上の画像にあるようなパワーポーズという姿勢を2分間した後、支配性のホルモンであるテストステロン、ストレスのホルモンであるコルチゾール、態度の変化をチェックし、ギャンブルゲームをプレイしてどのような行動をするか調べた。結果、テストステロンの増加とコルチゾールの減少がみられ、行動も態度もポジティブになるということがわかった、というのがTEDの講演内容だ。

疑念

動画の説明の「(注 この講演で示された発見の中には社会科学者の間でその堅固さや再現性について議論があるものもあります。下記にあるエイミー・カディによる回答をご覧ください。」の部分が気になって、調べてみるとどうもこの実験は本当ではない可能性があることがわかった。

この2つの記事から引用させていただきました。

チューリッヒ大学での追試

しかし、この実験結果とは違う結果が2015年にチューリッヒ大学が行った追試ででてしまった。チューリッヒ大学の研究チームの被験者は200名(オリジナル論文では21名)。オリジナルと同じ方法で実験した結果、

  • テストステロンの増加はみられなかった。
  • リスクを恐れずに行動するようにはならなかった。
  • ただし、一時的に気分が改善した参加者は多かった。

 というオリジナル論文を否定するものとなった。エイミー博士すぐに反論を展開。

  • 追試ではパワーポーズの効果を事前に参加者へ説明したのがよくなかったんじゃないか?
  • パワーポーズの時間が長すぎるんじゃないか?

上のような疑問をあげた。

共著者が否定

論文の共著者であるカリフォルニア大学バークレー校のダナ・カーニー博士がパワーポーズを否定した。

統計処理の甘さ

  • 参加者に「どれだけ力強さを感じたか?」を聞く際、いろんな質問の仕方をして、もっとも効果が大きそうなものを採用した。
  • パワーポーズの効果を確かめるときに参加者の量をいじったため、実態よりも統計的に有意になるようにしていた(いわゆるP値ハッキング)。

発表された声明文

  1. わたしは「パワーポーズ」の効果を信じていない。
  2. その効果が現実にあるとも考えていない。
  3. わたしはもうパワーポーズの効果を研究していない。
  4. 他の人にパワーポーズの研究をするのも勧めない。
  5. もはや自分の授業でもパワーポーズを教えていない。
  6. 今後はメディアでパワーポーズについて語らないし、すでにここ5年間は語っていない(懐疑論がでてくるよりずっと前からだ)。

感想

まだ完全に決着がついたわけではないらしいが、どうもエイミー博士が不利みたい。追試に対する反論もいまいちで、さらに共著者も否定したとなると効果があるとは言えないだろう。TEDの再生回数からもわかる通り、かなり話題になった有名な実験らしく、まだ信じている人も結構いるんではないだろうか。もっともらしい説でも後々しっかりと反論されるということ自体は良いことだなと思う。