db


優れたリーダーはどうやって行動を促すか/サイモン・シネック




f:id:kohhe:20190510030424p:plain

 

優れたリーダーはどうやって行動を促すか

講演者:Simon Sinek(サイモン・シネック)

サイモン・シネックがシンプルで強力なモデルを使って周りを動かすリーダーシップについて説明します。全てはゴールデンサークルと「何のために」という質問から始まります。成功例として、アップルやマーチン・ルーサー・キング、ライト兄弟を取り上げ、失敗例として (最近の勝訴で株価が3倍になったものの) 苦難の続く TiVo を取り上げます。

サイモン シネック: 優れたリーダーはどうやって行動を促すか | TED Talk

なぜ〇〇なのだろうか

物事がうまく行かなかったときや常識を全てひっくり返すようなことを誰かが成し遂げたときにそれをどう説明するだろうか?

なぜアップルなのか

アップルは、他の競合のどこよりも革新的であり続けている。競合他社と同じような人材を同じように集め、同じような代理店やコンサルタントやメディアを使っているのに、なぜアップルには他と違う何かがあるように見えるのか。

なぜマーチン・ルーサー・キングなのか

なぜマーチン・ルーサー・キングが市民権運動を指導できたのか。市民権運動以前のアメリカで苦しんでいたのは彼だけではない。彼だけが優れた演説家だったわけでもない。なぜキング師だったのだろう。

なぜライト兄弟なのか

ライト兄弟が有人動力飛行を実現できたのはなぜだろう。人材を揃えて資金も潤沢な他のグループでも有人動力飛行を実現することはできず、ライト兄弟に負けてしまった。なぜライト兄弟だったのだろう。

ゴールデンサークル

f:id:kohhe:20190419200255p:plain

 

「なぜ?」「どうやって?」「何を?」この小さなアイデアで、ある組織やリーダーが、なぜ他にはない力を得るのか説明できる。「なぜやっているのか」がわかっている人や組織は非常に少ない。私達が考え行動し伝えるやり方は、外から中へだ。明確なものから曖昧なものへ向かう。でも飛び抜けたリーダーや飛び抜けた組織は、その大きさや業界にかかわらず考え行動し伝える時に中から外へと向かう。

アップルの場合

何をしてどう違いどう優れているかを述べ、相手に行動を期待する時、アップルなら「我々のすることはすべて、世界を変えるという信念で行っています。違う考え方に価値があると信じています。私たちが世界を変える手段は、美しくデザインされ簡単に使えて親しみやすい製品です。こうして素晴らしいコンピュータができあがりました。」 と情報の順番を逆にする。これが示すのは人は「何を」ではなく 「なぜ」に動かされるということだ。自分が提供するものを必要とする人とビジネスするのではなく、自分の信じることを信じる人とビジネスするのを目標とすべきなのだ。

全ては生物学の原理に基づいている

ヒトの脳の断面を上から見ると脳は3つの主要な部位に分かれている。それはゴールデンサークルと対応している。「何を」は大脳新皮質、合理的・分析的な思考と言語とを司る。「なぜ?」「どうやって?」は大脳辺縁系に対応し、これは感情、信頼、忠誠心、ヒトの行動を司り全ての意思決定を行うが、言語能力はない。

外から中へのコミュニケーション

機能やメリットや事実や数値など、大量の複雑な情報を理解できる。しかし行動につながらない。

中から外へのコミュニケーション

行動を制御する脳の部分と直接コミュニケーションすることが出来る。言葉や行為によって理由付けは後からすることができ、直感的な決定はここから生まれる。大脳辺縁系は意思決定を司り、言語は担当しない。

 

人々は「なぜやっているのか」に反応する。自分の商品を必要とする人に売るのではなく自分が信じるものを信じてくれる人に売ることを、単に仕事を求めている人を雇うのではなく自分の信念を信じてくれる人を雇うことを目指すべきだ。

サミュエル・ラングレーとライト兄弟

20世紀の初頭には有人動力飛行の追求は、今日のドットコムのようなもので誰もが試みていた。サミュエル・ピエールポント・ラングレーは、5万ドルの資金を陸軍省から与えられ、ハーバード大に在籍し、スミソニアン博物館で働いていた関係で当時の頭脳たちと通じており人脈豊富。金にものを言わせて最高の人材を集め、市場の環境は絶好。ニューヨークタイムズは彼を追い掛け回し、みんなラングレーを応援した。「資金」「人材」「景気」という成功のレシピと言えるものを備えていた。

 

一方ライト兄弟のオーヴィルとウィルバーは、成功のレシピとはまるで無縁。資金は自分たちの自転車店から持ち出し、ライト兄弟を含めチームの誰ひとり大学を出ていなかった。ただ、オーヴィルとウィルバーは大義と理想と信念に動かされていた。彼らはもしこの飛行機械を作り上げることができたらそれは世界を変えることになると信じていた。

 

サミュエル・ラングレーは違っていた。彼が求めていたのは富と名声だった。ライト兄弟の夢を信じた人々は血と汗と涙を流して共に働き、もう一方のチームはただ給与のために働いた。そして1903年12月17日、ライト兄弟は初飛行に成功。そのことが広く伝えられたのは数日経った後だった。そしてラングレーの動機が適切でなかったことを示すさらなる証拠には、ライト兄弟が飛行した日に彼は諦めたのだ。さらなる改良をすることもできたはずだがしなかった。一番になれず、金持ちになれず、有名にもなれなかったので彼は諦めた。

イノベーションの普及の法則

人口の2.5%はイノベーター(先駆者)、13.5%はアーリーアダプタ(初期少数採用者)、34%はアーリーマジョリティー(初期多数採用者)、レイトマジョリティー(後期多数採用者)にラガード(伝統主義者)と続く。

f:id:kohhe:20190420104925j:plain

マスマーケットで成功したいならあるいはアイデアを幅広く受け入れて欲しいなら臨界点である15から18パーセントの市場浸透率が必要になる。そこまで行くと状況が一変する。自分から直感で飛びついてくれる人が10%程いるので、10パーセントの顧客を得るところまでは行ける。その壁を越えるには、ジェフリー・ムーアのいわゆる「キャズムを越える」ことが重要。

失敗例:TiVo

TiVoは、市場に投入されている唯一の高品質製品だった。資金調達も極めて順調で市場の状況もよかった。TiVo は「私はいつもスゴ録でTiVoってるよ。」と動詞にまでなったが、商業的には失敗。TiVoが製品を投入したときに彼らはそれが「何か」を説明し、疑い深い大衆の関心を得られなかった。

ティーボ - Wikipedia

成功例:キング牧師

1963年夏、25万人がワシントンの通りを埋め尽くし、キング牧師の演説に耳を傾けた。キング牧師だけが偉大な演説家というわけではない。市民権運動以前のアメリカで彼だけが苦しんでいたわけでもない。彼はアメリカを変えるために何が必要かなどを説かず、彼は自分が信じることを語った。彼が信じることを信じた人々が、彼の動機を自らの動機とし他の人にも伝えた。さらに多くの人々に伝えるため組織を作った人もいた。

 

25万人のうちキング牧師のために集まった人は何人いただろう。みんな自分自身のために集まり、彼ら自身がアメリカに対して信じることのために8時間バスに揺られてやってきて、8月のワシントンの炎天の下に集まった。自分が信じることのために。

リーダーと導く人

リーダーと導く人は違う。リーダーというのは、権威や権力の座にある人。導く人というのは皆を動かす人。個人であれ組織であれ、我々が導く人に従うのは、そうしなければならないからではなくそうしたいからであって、彼らのためでなく自分自身のために動く。「なぜ」から始める人が周りの人を動かし、さらに周りを動かす人を見出せる力を持つのだ。

感想

理屈は大事なものだけど、同時に非力なものなんだなと感じた。思い返せば理屈では分かっているけど、行動できなかったことは多い。多くの人に当てはまるのはやはり勉強なんじゃないかな。誰でも勉強した方がいいのはわかってる。一流大学に入れば給料の高い職に就ける確率は高まる。理屈ではわかっていても、それだけではインパクトに欠ける。何かしらの強い感情を持たないと行動できない。

 

「なぜ」から始めるようにすればみんな人を惹きつけられるようになるわけがない。自分ではできないと思っても他人をみる時、人を惹きつけるタイプかどうか判断するぐらいには使えるかもしれない。その人についていくとうまい汁を吸える可能性があるので積極的に「なぜ」から始める人に目をつけておこうと思う。