db


内向的な人が秘めている力/スーザン・ケイン




f:id:kohhe:20190510023853p:plain

 

内向的な人が秘めている力

講演者:Susan Cain(スーザン・ケイン)

社交的で活動的であることが何より評価される文化において、内向的であることは肩身が狭く、恥ずかしいとさえ感じられます。しかしスーザン・ケインはこの情熱的な講演で、内向的な人は世界にものすごい才能と能力をもたらしているのであり、内向性はもっと評価され奨励されてしかるべきだと言っています。

Susan Cain: スーザン・ケイン 「内向的な人が秘めている力」 | TED Talk

内向的な人と社会

全人口の3分の1から2分の1は内向的だ。内向的は内気とは違う。内気というのは、社会的に判断されることへの怖れだが、内向的であるというのは、社会的なものも含め刺激に対してどう反応するかということ。外向的な人は多くの刺激を強く求めるが、内向的な人はもっと静かで目立たない環境にいる方がやる気になり、生き生きとして能力を発揮できる。

 

もっとも重要な組織である学校や職場が、外向的な人向けに作られており、外向的な人に合った刺激に満ちている。同じことが職場についても言える。リーダーシップが必要な役職からは、内向的な人はいつも除外される。

 

ウォートン経営大学院のアダム・グラントの研究では、内向的なリーダーは外向的なリーダーよりも良い結果を生むことが多いという。内向的なリーダーは、積極的なメンバーがアイデアを出して活躍できるようにさせる一方、外向的なリーダーは気づかぬうちに何でも自分で仕切ることに夢中になって他の人のアイデアがなかなか活かされないようにしてしまうからだ。

孤独の力

私たちはみんな極端な内向型から 極端な外向型までの間のどこかに当てはまる。社会として両者をもっとうまくバランスさせる必要がある。これは特に創造性とか生産性といった面で重要になる。極めて創造的な人々の人生を 心理学者が研究したところ、彼らはアイデアを交換し発展させることに優れている一方で、非常に強い内向的な面を持つことが分かった。孤独が得てして創造性の重要な要素になっている。

例:ダーウィン

1人で森を長時間散歩することが多く、パーティの招待はきっぱり断っていた。

例:セオドア・ガイゼル

数々の素晴らしい創作をカリフォルニア州ラホヤの自宅裏にある孤独な塔のような書斎で生み出した。

例:ウォズニアック

アップルコンピュータを作ったウォズニアックは当時働いていたHPでいつも自室に1人閉じこもっていた。子どもの頃いつも家に閉じこもっているような内向的な性格でなければ、そもそも技術を極めることもなかっただろうと言っている。

 

共同作業など一切やめろということではない。ウォズニアックがジョブズとアップルを始めたのが、成功した共同作業の良い例だ。その一方で、孤独もまた大切である。実際私たちは何世紀にも渡って孤独の持つ超越的な力を知っていた。世界の主要な宗教を見ると、どの中にも探求者が現れる。モーセ、イエス、ブッダ、ムハンマド、探求者は1人で荒野をさすらい、その中で顕現や啓示を得る。そしてそれをみんなのいるコミュニティへと持ち帰るのだ。荒野なくして啓示はない。

グループの弊害

現代心理学の知見に照らすならこれは不思議なことでも何でもない。グループの中にいると他の人の意見を無意識にまねるようになってしまう。グループというのは、その場の支配的ないしはカリスマ的な人の意見に従うものだ。優れた話し手であることとアイデアが優れていることの間に相関が全くないにもかかわらず。みんな1人になって、集団の力学による歪みを受けずに自分独自のアイデアを考え出して、それから集まってほどよく調整された環境で話し合う方がずっと良い。

自己啓発本の変化

内向的より外交的な方が好まれる理由は、文化の歴史的変遷の中にある。西洋社会、とくにアメリカにおいては常に「考える人」よりも「行動する人」が好まれてきた。しかしアメリカでもその初期においては、歴史家が「品性の文化」と呼ぶ時期があり、人の内面や倫理的な清廉さが重んじられていた。当時の自己啓発書を見ると『品性の修養』のような題名が付いている。そしてロールモデルとして出てくるのはリンカーンのような謙虚で高ぶらない人だ。エマーソンはリンカーンについて「自分の優位性で人を不快にすることが決してない」と言っている。

 

しかし20世紀になると、歴史家が「個性の文化」と呼ぶ新しい文化の時代に入る。農業経済から大企業中心の世界へと発展し、人々は急速に小さな町から都市へと移り住むようになり、子どもの頃からよく知っている人たちと一緒に働く暮らしを捨て、知らない人の集団の中で自分の能力を示さなければならなくなった。そして必然的に魅力やカリスマ性のような資質が突然重要になった。その結果、自己啓発書も新しいニーズに合わせて変わり、『人を動かす』のような題名が付くようになる。そこでロールモデルになっているのは優れたセールスマンだ。それが私たちの今住んでいる世界、私たちが文化として継承しているものだ。

 

問題を解決する為に

科学や経済といった領域で私たちが今直面している問題は、非常に大きく複雑で解決するには大勢の人が手を携え協力する必要がある。内向的な人がもっと自分に合ったやり方でできるようにすれば、彼らがそういう問題に独自の解決法を考え出してくれる可能性が高くなるはずだ。

感想

たしかに内向的な人がもっと活躍できる世の中になればいいけど、生物的に外交的な人が圧倒的に強いからな。場の空気を支配されちゃうとどうしても無力になる。そもそも今の社会は外交的な人によって創られてるんだから、外交的な人に適した社会なのはしょうがないことなので、内向的な人は社会がもっと受け入れてくれることを期待するより、内向的な人自身がほんの少し今より外交的になれるように頑張る必要もあるかなと。それか内向的な人が社会を支配するように変えるか。それかすべてを諦めて、いっそのこと完全に社会から隔絶されて生きるのもいいかも。理想ではある。昔、一時仙人になりたいと思ってたし。